リノリウムの下

稽古場の床にどれくらいの時間接しているのでしょうか?クラスによって時間は違いますが1回90分、週2回のレッスンとして1週間で3時間、1ヶ月で12時間、1年で144時間。かなりの時間です。この間日常ではありえない衝撃がつま先から全身へと伝わることがあります。例えばジャンプしてつま先で着地するときです。バレエ用のリノリウムは滑りにくくする効果はありますがその薄さ故に衝撃を吸収する能力にはあまり期待できません。リノリウムの下の床がコンクリートなどの堅いものであればあるほどつま先が受ける衝撃は強くなります。この力を少しでも和らげて関節など身体への負担を減らすことができれば過度に身体に負担を掛けることなく、レッスンに集中できるのではないか?と考えました。当初建築事務所から提案された工法は床面を特殊なジャッキのようなもので持ち上げることにより衝撃を緩和させる、体育館などで用いられている工法でした。この工法の場合ジャッキの真上と離れたところとでは吸収力が変わり場所によっては反発力が起きるために他の工法を考えることになりました。そして辿り着いたのが天然ゴムの板です。天然ゴムの板を木製合板で挟むことにより安定性を保ちながら防振、衝撃吸収効果を高め、木製合板によって少なくなった衝撃吸収力を一般建築用の衝撃吸収材の上にバレエ用リノリウムを敷くことにより取り戻しています。また下の合板と天然ゴムの板と上の板の向きを変えることにより3層それぞれの「角」が揃わないように配置し稽古場の床全面に設置しています。

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